廣上 貢 医師

[勤務病院]
手稲渓仁会病院
循環器内科

〒006-8555
札幌市手稲区前田1条12丁目1-40
TEL/011-681-8111

URL/http://www.keijinkai.com/teine/

ハートチームを結成し、
万全の準備のもとTAVIを実施

photo1

 心臓には4つの部屋があり、それぞれの出口に逆流防止のための弁がある。中でも大動脈弁は左心室の出口にあり、血液を大動脈に送り出す際に開き、そのあと瞬時に閉じて送り出した血液が心臓へ逆流するのを防いでいる。
 大動脈弁狭窄症とはこの大動脈弁が十分に開かなくなり、本来の役目を果たせなくなる病気だ。そのため胸痛や失神・めまいといった症状が出現し、進行すれば心不全を繰り返す危険な状態となる。

photo2 大動脈弁狭窄症の原因は、本来3尖である弁葉が生まれつき数が足りない先天性のものとリウマチ熱に起因する炎症性変化によるものが10%程あるが、約90%は加齢によって動脈硬化が進んで生じてくる。治療法としては内科的治療による根治は難しく、外科的開胸手術によって大動脈弁を人工弁と取り替える大動脈弁置換術が一般的である。
 しかし高齢であるため、あるいは合併症があるために開胸手術できず、危険性が非常に高くなる場合がある。そこで開発されたのが経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)だ。このTAVIを道内で初めて実施したのが手稲渓仁会病院循環器内科の廣上貢主任部長である。2017年2月28日の時点で77例を実施している。

開胸手術と同等の成績ながら患者の負担が少ない

photo3 同院の循環器内科は、カテーテル治療の経験豊富な廣上主任部長を中心に心臓血管外科や麻酔科、看護師、臨床工学士、生理検査士、放射線技師などが集まってハートチームを結成。専門的なスキルを持ったスタッフが各自責任をもって役割分担をすることで、万一の事態への対応を含め、確実な手術を実施している。

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 TAVIは、生体弁をバルーンカテーテルの上にまきつけて小さくたたんで心臓まで進めていき、バルーンをふくらませて生体弁を装着する。生体弁を入れる際のアプローチ方法は、カテーテルを太ももの付け根から入れる経大腿動脈アプローチと、左胸を5~6cm切開する経心尖部アプローチの2通りに加え、最近では左の鎖骨の下を走行する左鎖骨下動脈から挿入する方法も行われている。

photo04 このTAVIは従来の外科的大動脈弁置換術のように胸を大きく切開する必要がないなど、患者の負担が少ないのが特徴だ。欧米ではすでに10数万例の症例数を重ねており、開胸手術と同等の治療成績が報告されている。
 廣上医師は「関連学会協議会からTAVIの実施施設認定を取得してから、当ハートチームは十分な準備のもと、2014年6月12日に北海道第一例のTAVI(経大腿動脈アプローチ)を成功させた。これまで実施した多くの患者さんから『動いたときの動悸・息切れがなくなり、寝る時にもあったつらい息苦しさがなくなった』と喜ばれている」と自信を見せている。
 手稲渓仁会病院では、TAVIの実施に必要なハイブリッド手術室を2013年に導入している。

一人でも多く救うため精度の高い手術を提供

 同院では重度大動脈弁狭窄症と診断すると、ハートチームによって本当に外科手術が困難かあるいは危険性が高いかを検討してからTAVI適応の有無を判断している。適応となるのは、おおむね85歳以上の高齢者や、呼吸器疾患などの合併症をもつ患者だ。
 手術は全身麻酔でおこない、時間は1時間程度。TAVI治療後の経過が良好ならリハビリを含め8~10日の入院で退院が可能だ。
 廣上主任部長は「外科手術ができないためにそのままの状態で日常生活が大きく制限されていた高齢の患者さんを1人でも多く救うため、慎重な適応判断のもと精度の高い手術を提供したい」と熱く語っている。

(2017/03/23)

ドクターの略歴、活動内容

廣上貢(ひろかみ みつぐ)/1957年生 

プロフィル

1983年
北海道大学医学部卒業
1983~
 1990年
医療法人社団延山会 北成病院 勤務

1987~
 1988年
榊原記念病院にて循環器病学研修

1990~
 1992年
医療法人翰林会 稲積公園病院 循環器科勤務

1992年~
医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院 循環器内科勤務
2006年~
同病院 循環器内科副部長
2013年~
同病院 循環器内科部長
2016年~
同病院 循環器内科主任部長

所属学会

・日本循環器学会
・日本心臓病学会
・日本血管インターベンション治療学会
・日本冠疾患学会
・日本内科学会
・日本集中治療学会  

資格

・日本心血管インターベンション治療学会専門医・指導医
・心房中隔欠損症欠損孔閉鎖栓留置術施行医

専門

・循環器病学
特に虚血性心疾患の診断と冠動脈インターベンションを中心とした治療
末梢動脈疾患に対する末梢動脈インターベンション
構造的心疾患(弁膜症や先天的心疾患)に対するカテーテル治療